【モンテッソーリ的?おすすめ絵本】木・植物の絵本①【文化教育】

前回紹介した新生児から使えるモンテッソーリのモビール「ムナリモビール」の考案者ブルーノ・ムナーリは、子ども向けの絵本も著しています。ここでは、ムナーリの「木をかこう」など、音感が楽しいものや色や形を楽しめる、木や植物にまつわる絵本を紹介します。

ブルーノ・ムナーリ「木をかこう」須賀敦子訳(志光社)

イタリアの美術家ブルーノ・ムナーリによる絵本。絵本というよりもデザイン書という区分のほうが適当かもしれません。というのも、本書は木の枝が伸びるときの法則性にのっとりながら、いくぶんかシステマティックに、そして自由に、木を描く方法をムナーリが示していくというもの。ムナーリの視線は「木」をていねいに観察して独自の視点から分析・分解し、規則性を発見しますが、それと同時に、同じ木はひとつとしてなく多様性があり、自由にのびのび描いていいんだよとやさしく後押ししてくれるのです。約90ページというボリュームもあり、わが家の2歳児には少し難しかったようですが、木自体には興味を示しているので興味に合わせて少しずつ読んでいけたらと思っています。翻訳はイタリア文学者の故・須賀敦子さん。アントニオ・タブッキなどによるイタリア文学の翻訳や、静謐なエッセイで知られ、本書の翻訳もいつもながら流れるような日本語が美しいです。

tupera tupera「木がずらり」(ブロンズ新社)

人気の絵本作家tupera tuperaによる木の絵本。絵本としては珍しく、とっても縦長な形をしていますが、実はこの絵本、じゃばら絵本なんです。絵本を筒状のカバーから出してページをぱたぱたと開いていくと、空想上の(?)木たちがずらりと並ぶ仕掛け。読み進めていくと全24の木の風景が「ずらり」と連なり、春夏秋冬さまざまな木の風景に出会うことができますよ。

こんもち かっちり きっちり とんがり そっくり うっとり ほんのり ぱちり

tupera tupera「木がずらり」ブロンズ新社

と、木の風景にぴったりなオノマトペも楽しい一冊です。

長新太「ふゆめがっしょうだん」(福音館書店)

「冬芽(ふゆめ)」。筆者はこの絵本に出会うまで、恥ずかしながらこの冬芽についてはっきりと認識したことがありませんでした。冬芽とは、夏から秋の間に形成され、越冬し、春になると葉や花になる芽のこと。樹木の種類によって当然その形も違うのですが、この絵本でもたくさんの冬芽に出会うことができます。とってもおもしろいのが、写真に撮られた冬芽たちがまるで顔のように見えること。おこった顔やにっこりした顔。埴輪のような少しとぼけた表情ーー。

みんなは みんなは きのめだよ はるに なれば はが でて はなが さく パッパッパッパッ

長新太「ふゆめがっしょうだん」福音館書店

と、長新太さんの文とともにたくさんの冬芽に出会ってみませんか?

タイトルとURLをコピーしました