【おすすめ絵本】マリメッコのデザイナー作の絵本から、おかあさんといっしょでお馴染みのソングブックまで!色の絵本 ①

色の絵本
色にまつわる絵本たち。並べるやいなや、0歳の娘が表紙の色に惹かれてやってきました

今回のテーマは「色」。本稿を書き始めるにあたって、なぜ色の絵本が子どもにとって必要なのかということについて改めて考えてみましたが、すぐに答えを見出すことができませんでした。しかし、身の回りにある色について自分の言葉で表現し、きれいだなと思ったり、色の微妙な差異やグラデーションを認識したりすることは、子どもの毎日の暮らしをより豊かにしてくれるように思います。

色の認識する練習に!モンテッソーリの手作り「色板」の作り方

ことばは、認識を助ける道具。「赤」や「青」「黄」といった色の名前を覚えておくことは、子どもたちが日々の生活で色を無意識のうちに認識することを可能にし、幼少期を文字通り「色彩豊か」にしてくれるかもしれません(このことは、ほかのジャンルの絵本にもいえそうですね!)。また、まだおしゃべり前の赤ちゃんにとっても、目の前でぱらぱらとめくられ変化していく絵や色が、とても大きな刺激と経験になることは想像に難くありません。ここでは、色やその名前について書かれた絵本を5冊紹介します。

エリック・カール「えを かく かく かく」アーサー・ビナード訳( 偕成社 )

「はらぺこあおむし」の作者として知られるエリック・カールの絵本には、「はらぺこ~」以外にもたくさんのすばらしい著作があります。「えを かく かく かく」は、ナチス政権下のドイツに暮らした12歳のエリック・カール少年が、美術学校の先生にこっそり見せてもらい、その後の彼の絵に少なからず影響を与えた画家フランツ・マルクとその作品をモチーフとしたもの。

フランツ・マルクという男の子が生まれた。……やがて色あざやかな動物たちをえがきはじめ、しかも青い馬や黄色い牛など、ふだん見かけない色をつかったので、理解できない人もいた。けれど、マルクはカラフルな絵をつぎつぎとかきあげて、それぞれの色にひそんでいる意味もつたえようとした。

エリック・カール「えを かく かく かく」”この絵本のはじまり”より抜粋

この絵本に出てくるのは、オレンジの象、緑のライオン、赤いワニ、黄色い牛など、大人の私たちは見たことも聞いたこともないようなカラフルな動物たち。フランツ・マルクにとっての色の意味合いについては読者である子どもの知るところではないので解説は省きますが、とにかくのびのびとして、既成概念にとらわれない動物たちの絵と色は、子どもも大人の私も大好きです。

アイノーマイヤ・メッツォラ「いろのえほん」(パイ・インターナショナル)

フィンランドのテキスタイルブランド「マリメッコ」のデザイナーであるアイノーマイヤ・メッツォラによる色の絵本。赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫の7つの色にまつわるモノ達の名前を、彼女のかわいらしいイラストで覚えることができます。一番の特長は、めくって遊べるしかけ部分。一見ストーリー性のない色の図鑑絵本のように見えますが、パタパタとしかけをめくってみると…? モノの名前や色を覚えながら、めくるワクワクも味わえるとっても楽しい絵本です。

100% ORANGE「どんな いろが すき」(フレーベル館)

「どんないろーが好き?」と口ずさめば、「あか!」「あお!」とお馴染みの調子で答えてくれるお子さんも多いかもしれません。この絵本は、NHK「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさんだった坂田修さんが作った「どんないろがすき」の歌に、新潮社の「Yonda?」などでも知られる人気イラストレーター・100%ORANGEのイラストをのせたソングブック。あのかわいらしいイラストと、聞き覚えのある歌とで、色と名前を覚えられます。物語ではなく歌なので、子どもと一緒に歌いながら楽しめるのがポイント。育児サークルなどでこの本を取り上げると、ほとんどの子どもたちが嬉しそうに一緒に歌ってくれていますよ♪

ディック・ブルーナ「あか き あお みどり」まつおか きょうこ訳(福音館書店)

日本では「ミッフィー」ちゃんでもよく知られているオランダの絵本作家ディック・ブルーナの作品。あか、あお、きいろの三原色にみどりを加えた4つの色だけを使って、ディック・ブルーナらしいシンプルな線のイラストに色がついていきます。絵も構成も文章も大変シンプルであるゆえに、あか、あお、き、みどりの4つの色に意識が向きやすい気がします。赤ちゃんのはじめての「色の絵本」としてとってもおすすめですよ! 

五味太郎「いろ」(絵本館)

数多の絵本をこの世に送り出してきた作家・五味太郎の絵本。「なぜかとつぜん あかい ぞう!/つづいてなぜか あおい ひょう…」で始まるこの絵本は、『きんぎょがにげた』に代表される他の彼の著作同様、絵だけでなくリズミカルな文章も楽しみのひとつです。「ぱっしゃん ばっしゃん どぶん どぼーん」といったオノマトペの部分は子どもも大げさに真似して、とっても嬉しそうな様子。小気味よいリズムで聴きやすく(親も読みやすく)、お話自体も短いので、年齢の低いお子さんでも楽しんでくれるはず♪

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